子供の頃は、本を沢山読んでました。その後、まったく読まなくなったんですよねぇ。どうしてだったかは、覚えてません。まぁ、魚釣りに夢中になったのが、原因かと思われますが。それからは、小説なんて聴くと、敬遠してました。何だか小難しそうでしてねぇ。手に取るのも、厭でしたよ。食わず嫌いってとこですよ。それから10年ぐらいして、一冊の小説を貰いまして、すぐに読み始めたかと云うと、これがまた、措きっぱなしでしたねぇ。手が出ませんでした。
あの頃はギターに夢中で、ロックばかり聴いてましたから。その小説を貰った経緯が、ちょっと面白いんです。くれたのは、同年代の女の娘でして、これが、保険の勧誘員だったんですよ。私は都会に出て仕事をしてまして、何処で調べられたんでしょうねぇ。電話が掛かってきた時は、ビックリしましたよ。研修所に住んでまして、女の娘から電話が来てるよ、こう言われ、ドキドキしながら出てみました。管理人さんには、知り合いの女の娘だよと聴かされてましたからねぇ。てっきりどの娘からか、逢いたいとか言われるんじゃないかなぁって、期待してましたよ。出てみてガックリ。ぜんぜん知らない声で、開口一番、保険の勧誘員です。
こう聴かされました。不思議と、腹は立ちませんでしたねぇ。人恋しかったんでしょう。まったく知らない土地で、うちの学校からは、私独りが就職しましたから。そして逢う約束をして、小説を貰ったんですよ。保険に入るのは、キッパリ断りましたねぇ。そこまで私も、お人よしじゃありませんから。そして、小説にのめりこみました。